鍼灸院ってどんなところ?その①
今回は改めて「鍼灸院とはどんな所?」について記述していきます。
周知のこともあれば、意外と知られていないこともあると思いますので、あなた様のかかりつけの鍼灸院選びの一つとして知って頂けたら幸いです。
①はりきゅう?しんきゅう?
鍼灸と書いて「はりきゅう」と読んだり「しんきゅう」と読んだりします。漢字で書くと紛らわしいので当院はあえて「ひらがな」で【ケーズ(K‘s)はりきゅう治療院】と命名しました。【K‘s】の由来はまた後日お話します。
②鍼と針
特に明確な定められているわけではありませんが、どちらを使っても問題ありません。私の考えとしては「鍼」とは我々「鍼灸師」が扱う「鍼」のことで「針」はそれ以外の「針」(注射針や縫い針)を指す意味合いだと考えています。どちらを使ってもらっても意味は通ります。
③鍼灸院(鍼灸治療院)はどんなところ?
主に「はり」「きゅう」などを用いて(手技による矯正や低周波や超音波を用いた治療機器も扱ったりする)施術をおこない、お身体の痛みや不調を改善に導くため、怪我や病気の予防のため、スポーツパフォーマンスを向上するためになどに利用される事を目的とした施設です。近年は美容目的(肌質改善、小顔、たるみやしわの改善、痩身、ダイエット)での施術を導入している鍼灸院も増えています。※ただし全ての鍼灸院で全てのお悩みに対応されているわけではありません。治療院によっては得意とする症状があったり、対応していない症状があったりします。当院も新規の方から「このような症状で困っているのですが、対応してもらえますか?」といった問い合わせを頂きます。まずは事前に問い合わせたりホームページなどで確認されたほうがよいです。
④病院や整体、カイロプラクティック院とは違うの?
病院は医師免許を持った医師が常勤しており、医師による診察、検査、診断(病名をつける)をもとに【医業類似行為】を施す場所です。鍼灸院では診察(問診や触診)や検査はできますが、診断をすることが出来ません。診断は医師免許を持ったものでしかできないからです。なので診断書は鍼灸院では発行できません。施術証明書であれば発行できます。話が逸脱してしまいましたが、鍼灸治療は法的な資格制度のある【医業類似行為】となります。
本来、医師の独占業務である医業に類似する行為を、業として反復して行うことを【医業類似行為】といいます。
この医業類似行為には、
「法的な資格制度があるもの」と
「法的な資格制度がないもの」の2種類に分けられます。
一つ目の
「法的な資格制度があるもの」は、
まさに皆さまに関連する柔道整復師法や
あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師等に関する法律(以下、あはき法)で定められたものを指します。
あはき法
第1条及び第12条ではあん摩マッサージ、はり、きゅう、および柔道整復以外の医業類似行為を業としてはならないと規定されています。
また
平成3年の厚生労働省通知では柔道整復は、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅうと並んで医業類似行為の一つとされています。
このように柔整師・鍼灸師が行う施術は法律で認められた医業類似行為になります。
では2つ目の「法的な資格制度のないもの」に関してはどうでしょうか。
整体やカイロプラクティックのような、法定の行為以外の民間療法を含む概念
このように法定の行為以外の民間療法というのが法的な制度のない医業類似行為にあたります。
では、どの範囲までが医業類似行為なのでしょうか?
法律で明確に定義はされていませんが、
裁判等の判例により
「医業類似行為とは、疾病の治療又は保健の目的でする行為であって、
医師や法令で資格の認められた者が、その業としてする行為以外のもの」とされています。
従って疾病の治療又は保健の目的でする行為である、整体やカイロプラクティック、アロマセラピー、電気療法なども全て医療類似行為にあたるという事です。
では、何をやってもいいのでしょうか?
厚生省の通知では
「施術が医学的観点から少しでも人体に危害を及ぼすおそれがあれば、人の健康に害を及ぼす恐れがあるものとして禁止処罰の対象となる」とされています。
資格制度のない施術者による医業類似行為は様々な形態で広く利用されています。
国民生活センターではそれらによる重症事例も公表しており、
一定以上の安全性を担保する為のガイドライン作成が必要であると提起されています。
難しい話となりましたが、つまる話が【餅は餅屋】ということです。
車の修理を頼む際、趣味で車をイジッている人に頼みますか?ディーラーや修理工場にて整備士の方に頼みますよね?
長くなってしまいましたが、この続きはまた後日、その②へ続きます。
次回は似たような治療院が多いけどどんなタイプの治療院があるのか、そしてもう少し詳しくどんなお悩みでご来院されるのかをピックアップしてご説明します。
2023年2月8日